パタゴニア
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折れたロッドは、自分で修理してまた使えるのか。

今回は、5番と6番のガイドの間で折れたラテオFJを、カーボンの芯とエポキシ接着剤で修理してみました。

修理後は43cmのムネアカクチビや61cmのタマンを釣ることができました。ただし、元どおりになったわけではなく、ロッドの長さと曲がり方は変わっています。

実際に使った材料や費用、修理の工程、やってみてわかった反省点をまとめます。

今回の修理概要

項目 今回の内容
修理したロッド ラテオFJ
折れた場所 5番と6番のガイドの間
修理方法 折れた部分の内側にカーボンの芯を入れ、2液式エポキシ接着剤で接着
使用した芯材 外径5mmのカーボンチューブラ〈中空材〉を削って調整
芯を入れた長さ 細い側に約4cm、太い側に約6cm、合計約10cm
主な材料・工具 カーボンチューブラ、2液式エポキシ接着剤、400番の耐水ペーパー
当時の購入費用 接着剤624円+芯材918円=合計1,542円
実際に使った材料分の費用 約500円という概算。購入時の支払額とは異なります
修理後の実釣 43cmのムネアカクチビ、61cm・53cmのタマンを釣獲
元と変わったこと 全長が約2cm短くなり、芯を入れた部分が曲がりにくくなった

※費用は修理当時の金額です。手持ちの工具や耐水ペーパーなどの費用は含めていません。

※この記事は、今回の破損状態に対して行った個人の修理記録です。芯材の寸法や差し込み長さは、このロッドでの実例であり、すべてのロッドや破損箇所に使える基準ではありません。

折れたロッドを、自分で修理しようと思った理由

「折れたロッドは、どこの修理工場に出すのがいいのか?」

最初はそこからのスタートでした。

なぜその工場がいいのか、どのような方法で修理しているのか。調べていくうちに、折れたロッドの修理について少しずつ知識が増えていきました。

修理に使う材料や機材もわかってくると、手先は器用な方なので、そのうち・・

「こりゃー自分でも直せる気がする・・」

そう思うようになってきました。

この数ヶ月で立て続けにロッドを折ってしまい、全部を修理に出すとなると、なかなかの金額に。

さすがに大切なロッドはプロに相談するとして、ラテオFJは自分で直してみよう・・!

そう思い立ち、材料を購入しました。

材料|使った芯材・接着剤と、修理にかかった費用

今回の修理で主に使ったものは、次の3つです。

  • 外径5mmのカーボンチューブラ〈中空の芯材〉
  • 2液式エポキシ接着剤「ハイスーパー5」
  • 400番の耐水ペーパー

このほか、接着剤を混ぜる台やヘラ、はみ出した接着剤を拭き取るものも用意します。

飾り巻き用のゴールドの糸も準備しましたが、今回は仕上げまで使いませんでした。ロッドを回転させるフィニッシングモーターも使用していません。

購入費用は1,542円。使った材料分は約500円という概算

当時、材料の購入にかかった費用はこちらです。

材料 当時の購入額 使用量・残量
エポキシ接着剤 624円〈送料無料〉 使用したのは少量。大部分が残った
カーボンの芯材20cm 918円〈送料込み〉 約10cm使用し、約10cm残った
合計 1,542円 残りは次の修理にも使える状態

カーボンの芯材は半分使ったので、購入額を単純に半分にすると459円。そこに少量の接着剤を加え、使った材料分だけなら約500円くらいという感覚でした。

ただし、接着剤の使用量を計量したわけではないので、正確な原価ではありません。

これから材料をそろえる場合は「500円で全部買える」という意味ではなく、購入時の支払額が別にかかります。

芯材は「外径」と「中空かどうか」を確認する

私のラテオFJは、折れ口の細い側の内径がおよそ4.5mmでした。そのため、外径5mmのカーボンチューブラを削って合わせることにしました。

今回使ったのは、中まで詰まったカーボンソリッドではなく、中が空洞になっているカーボンチューブラです。

商品名に「カーボンロッド」とあっても、中実の丸棒と中空のパイプでは構造が異なります。購入時は、外径・内径・長さ・中空か中実かを確認してください。

なお、以前の商品欄に記載していた「0.5mm×150mm」は、今回使った芯材の寸法とは一致しません。取り違えを避けるため、この記事では芯材の購入リンクを掲載していません。

芯合わせ|折れ口を整え、カーボンの芯を削る

折れたラテオFJの修理箇所

まずは、折れた断面を400番の耐水ペーパーで整えていきます。

平らな机などに耐水ペーパーを置き、ロッドの断面を当て、円を描くように少しずつ削っていく感じです。

折れ口の周囲まで割れている場合は、断面を整えるだけでは済みません。傷んだ部分を取り除く必要があり、その分だけロッドが短くなり、接合する両側の内径差も大きくなることがあります。

今回も修理後は、元より約2cm短くなっています。

外径5mmの芯材を、折れ口に合わせて少しずつ削る

ロッド内部に合わせて加工するカーボンの芯材

次は、外径5mmのカーボンチューブラの片側を、細い側の折れ口に入るよう耐水ペーパーで削っていきます。

最初は、芯を両側合わせて10cmほど入れるつもりでした。細い側にも5cmほど差し込みたいと考えていたのですが、ロッドの内側は奥に向かってさらに細くなっています。

それに合わせて削っていく工程が、一番大変・・!

削っては差し、また削っては差し。

少しずつ調整して、細い側に約4cm入ったところで、当時はここまでで進めることにしました。結果として、太い側には約6cm入り、合計約10cmの芯でつなぐ形になりました。

ただし、これは今回の作業結果です。4cm・6cmという差し込み長さで、十分な強度が得られると確認できたわけではありません。

芯材の端も丸く整えておいた

芯材の端がロッド内部に当たり、その付近から再び折れることもあると知り、芯の端は丸く整えておきました。

これで再破損を防げると保証できるものではありませんが、角が立った状態のままにはしないようにしました。

接着してしまうと調整が難しくなるので、芯の入り方や接合部の収まりは、この段階で確認しておきます。

接着|2液式エポキシでつなぐ

今回使った接着剤は、2液式の「ハイスーパー5」です。

主剤と硬化剤が別々になっていて、必要な分を混ぜて使います。残った分は、製品の指示に沿って保管します。

修理に使用した2液式エポキシ接着剤

「5分」は、釣りに使えるようになるまでの時間ではない

ここは、修理をする前に押さえておきたいところです。

ハイスーパー5の「5分」は、23℃で混合してから硬化が始まるまでの目安です。5分待てば修理したロッドを使える、という意味ではありません。

メーカーの製品情報・技術資料では、次のように示されています。

区分 メーカー記載の目安
混合後の作業時間〈可使時間〉 5分以内
硬化が始まる時間 混合から約5分後〈23℃〉
実用硬化時間 約1時間
標準硬化条件 23℃で24時間

出典:セメダイン「ハイスーパー5」製品情報、セメダイン「2液型エポキシ系接着剤」技術資料

これらは接着剤の硬化に関する目安であり、修理したロッドの強度や、実釣に使える時点を保証するものではありません。実際に使用する製品の説明と作業時の温度条件を確認し、十分な硬化時間を確保してください。

細い側から芯を接着する

接着面の削り粉や汚れを取り除き、よく乾燥させてから作業します。

ハイスーパー5は、A剤とB剤を容量比で等量混ぜ、均一になったらすぐに塗布します。メーカーの使用方法も確認してください。

私は、細く削った側の芯に接着剤を付け、ロッドの内側に行き渡らせるように差し込みました。

このとき、はみ出した接着剤は拭き取っておきます。

当時はせっかちなこともあり、細い側を接着してから5分ほどで、そのまま太い側も接着してしまいました。

ただ、前述のとおり5分は硬化開始の目安です。

太い側を接着し、向きを合わせる

芯材を入れて接着したロッドの接合部

続けて太い側にも接着剤を付け、両側をつなぎました。

接着時には、ガイドの向きがそろっているか、接合部がずれていないかを確認する必要があります。はみ出した接着剤も、この段階で拭き取っておきます。

貼り合わせた後は接合部が動かないようにし、十分に硬化するまで静置します。

仕上げ|飾り巻きは見送り、表面を整える

接合部をつないだ後は、表面の仕上げです。

ガイドの付け根などに、ゴールドやシルバー、レッドの糸が巻かれ、その上からコーティングされていることがありますよね。

あのように接合部を隠せたら・・と思い、私もゴールドの糸を準備していました。

ところが、用意した糸が思ったより細く、きれいに巻く作業にも苦戦。今回は途中で断念しました。

フィニッシングモーターは今回は使わなかった

ロッドの仕上げに使う回転機材の参考画像 ロッドを回転させる機材の参考画像

画像出典:Amazon

ロッドを乗せて、ゆっくり回転させる機材です。

コーティングの仕上げに使うものですが、今回は実験的な修理だったこともあり、購入を見送りました。

なお、掲載画像は回転機材の参考です。後半で紹介する商品の仕様や付属品は、リンク先で確認してください。

表面に厚く塗りすぎたのは反省点

とりあえず今回は、つながって使えるようになれば・・と、表面にもエポキシを塗って仕上げました。

接着と表面の仕上げを終えたロッド

硬化した表面をきれいにしようと耐水ペーパーで磨いたところ、白く曇ったようになってしまい、いったん磨くのは中止。

後から削ればきれいになるだろうと思って、雑に塗りすぎましたね・・。

接合部はつながったものの、見た目は少々手荒な仕上がりになりました。

これは当時行った作業の記録です。接着用エポキシを、そのまま表面仕上げ用として勧めるものではありません。仕上げ材は用途に合った製品を選び、説明に従って使う必要があります。

実釣結果|修理後に61cmのタマンも釣れた

当時は修理した翌日に、このロッドを実釣に持っていきました。

まず釣れたのは、43cmのムネアカクチビ。

かなり暴れましたが、そのやり取りでは修理箇所に問題は出ませんでした。

その後、61cmのタマンもこのロッドで釣り上げることができました。さらに後日、元気でパワフルな53cmのタマンも釣獲。

修理後に釣った魚 サイズ その実釣での結果
ムネアカクチビ 43cm 修理箇所の破損なく釣り上げた
タマン 61cm 修理箇所の破損なく釣り上げた
タマン 53cm 修理箇所の破損なく釣り上げた

折れてしまったロッドで、また魚を釣れたのは素直にうれしかったです。

「これはモアザンも自分で直せるのでは・・」

そんなことまで考えてしまいました。

ただし、魚を釣れたことと、元の強度に戻ったことは別です。 今回の実釣結果だけで、長期的な耐久性や、別の負荷にも耐えられると判断することはできません。

反省点|芯を入れた部分は曲がりにくくなった

今回の修理で一番気になったのは、見た目よりもロッドの曲がり方でした。

合計10cmの芯は、長すぎたかもしれない

今回、カーボンの芯は細い側に約4cm、太い側に約6cm入っています。

ロッドを曲げてみると、その部分は周囲に比べて曲がりにくく、修理前とは明らかに曲がり方が変わりました。

使ってみて、合計10cmは少し長すぎたのかもしれないと感じています。

ただし、短くすればよかったと断定できるわけでもありません。短くした場合の接着強度や耐久性は、今回試していないからです。

「つなげられること」と「元の曲がり方に近づけること」は、別の難しさがあると感じました。

ロッドは元より約2cm短くなった

折れ口を整えたことで、仕上がったロッドは元より約2cm短くなりました。

今回の方法は、残った両側の断面を芯でつなぐ修理なので、失った部分の長さまでは戻せませんでした。

元の長さや使用感にどこまで近づけられるかは、破損状態や修理方法によって変わります。そこを重視するなら、作業する前にメーカーや修理業者へ相談したいところです。

割れ方によっては、同じ方法では修理できない

今回のように芯を入れてつなぐ方法も、どんな折れ方にでも使えるわけではありません。

広い範囲に割れがあると、傷んだ部分を取り除いた結果、接合する両側の内径差が大きくなることがあります。

片側には合う芯でも、もう片側では隙間が大きすぎる。そうなると、今回のように削って合わせるだけでは対応できません。

破損の範囲がわからない場合や、大切なロッドの性能をできるだけ維持したい場合は、先にプロへ相談する方が判断しやすいと思います。

自分で修理して感じたこと

今回のラテオFJは、カーボンの芯とエポキシ接着剤でつなぎ直し、実際に魚を釣るところまで使うことができました。

購入費用は当時1,542円。接着剤と芯材が残ったので、使った材料分だけなら約500円という概算です。

一方で、ロッドは約2cm短くなり、芯を入れた部分の曲がり方も変わりました。見た目の仕上げにも課題が残っています。

それでも、自分で手を動かして直したロッドで、またタマンを釣れたことは、なかなかうれしい体験でした。

これから自分で修理してみようと考えている方に、費用だけでなく、作業の手間や修理後の変化も含めて参考になれば幸いです。

使用した接着剤と、仕上げ用機材

エポキシ接着剤|ハイスーパー5 80gセット

今回、接着に使用した2液式エポキシ接着剤です。

「5分」は23℃で硬化が始まるまでの目安です。混合後の作業時間と、硬化を待つ時間を分けて確認してください。

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メーカーの製品情報・使用方法を見る

フィニッシングモーター|FUJI TACKLE PLUS+ FMM

ロッドを回転させながら仕上げ作業を行うための機材です。

今回は使用していませんが、今後、仕上がりまで整える場合に検討したい道具です。

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カーボンチューブラ|今回は外径5mmの中空材を加工

今回使ったのは、購入時の長さが20cm、外径5mmのカーボンチューブラです。約10cmを使い、細い側を削ってロッドの内径に合わせました。

同じ外径でも内径や肉厚は異なります。また、中実のカーボンソリッドとは別の材料です。

購入時は、修理するロッドの寸法と芯材の仕様を確認してください。

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